大山街道 街道を歩く その2 歴史を訪ねる シニアの健康ウォーキング 池尻大橋→二子玉川

大山街道 街道を歩く その2 歴史を訪ねる シニアの健康ウォーキング 池尻大橋→二子玉川 街道ウォーク
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大山街道 その2 池尻大橋→二子玉川

大山街道その2は、池尻大橋→二子玉川
距離は14,5Km、所要時間4:10時間 19,210歩、消費カロリー1820kcal

※画像はクリックすると拡大でご覧いただけます。

※スマホでも読みやすいように、改行が多くなっております。PCでは少々見づらくなっていることをご了承願います。

池尻大橋 → 桜新町

今回は東急田園都市線「池尻大橋」から多摩川を目指して街道を歩きます。駅を出てすぐ、国道246から左に入る道が旧大山街道、静かな住宅街をゆっくり進みます。旧大山街道と刻印された道標と鳥居、かわいらしい男の子と女の子が「かごめかごめ」で遊んでいる銅造が右手に見えてきます。

東急田園都市線「池尻大橋」
池尻稲荷神社

こちらは「池尻稲荷神社」、江戸初期に創建された池尻村・池沢村の産土神、倉稲魂神(ウガノミタマノカミ)が祀られており、火伏稲荷、子育て稲荷として信仰されています。

境内にある「薬水の井戸」は病気平癒の薬水として知られ、昔は赤坂からの街道沿いに飲料水がなく。この涸れずの井戸を頼りにしていたとのことです。今も涸れることはなく、井戸から引かれた水が手水舎にあふれていました。

池尻稲荷神社 拝殿
池尻稲荷神社 薬水の井戸

街道は国道246に合流となり、昭和女子大学を左手に見て進むと「三軒茶屋」のキャロットタワーが見えてきます。地下鉄三軒茶屋駅の出口脇に時代が感じられる立派な「大山道 道標」があります。

1749年ごろの道標らしく「左相州通」と刻まれており、いい感じの経年劣化がみられます。不動明王の迫力がより一層増している気がしますね。

「三軒茶屋」 キャロットタワー
「大山道 道標」

三軒茶屋は昔「信楽」「角屋」「田中屋」という三軒の茶屋が並んでいたので三軒茶屋と呼ばれるようになったそうです。下高井戸までを結ぶ「東急世田谷線」の始発駅としても賑わっています。

渋谷から二子玉川まで玉川線として路面電車が走っていましたが廃止となります。その後も三軒茶屋から先が残って、という感じですね。昔からの飲食街も健在です。

元々の街道はここから世田谷通りで上町へ向かうルート、後に246から新町へ向かうルートができて、こちらが主流になったそうです。今回は上町ではなく、新町ルートを歩くことにします。街道は246からすぐに左へ入り旧道となっています。

三軒茶屋 飲食街 すずらん通
旧道はここで左へ

旧道に入ってすぐ右手、ブロック塀の奥に真っ赤な鳥居と祠が見えます。横に回ってみると石の鳥居と「伊勢丸稲荷神大神」の扁額。この造りからしても時代は古そうで、地元の方から大切にされていることが伝わってきます。

ここで街道とクロスする道は「蛇崩川緑道(じゃくずれりょくどう)」との表記があり、地下に川が流れているようですから昔は橋が架かっていた場所です。蛇が崩れる川という名称がとても気になりますね、蛇が出てきた?蛇行している?いずれにしても、名前というのは面白いですね。

伊勢丸稲荷神大神
蛇崩川緑道(じゃくずれりょくどう)

世田谷観音通りを渡ります。すこし通りに入ったところに祠に守られた「庚申尊」が祀られていますのでご挨拶してから街道に戻ります。

赤に「大山街道と書かれた案内札」が通りに見られるようになりました。職人さん風の方が「太刀を担いで歩く姿」が描かれておりシンプルなデザインで目を引きます。色々街道を歩いてきましたが、このような案内ステッカーやボードは街道ウォーカーにとって非常にありがたいものです。

庚申尊
大山街道と案内札

街道は再び246と合流となりますが、手前にお顔立ちがしっかりとした大きな「お地蔵さん」が祀られていました。旧街道沿いには歴史あるおじぞうさんが多く、このお地蔵さんも遠い昔から旅人を見守ってきたのでしょうね。

合流すると、環七上馬交差点の先に「宗圓寺」があります。1317年開山の曹洞宗の寺院ですから鎌倉後期の歴史がある寺院。境内には「しょうづかの御婆様」が祀られており、疫病よけに霊験あり江戸時代には賑わったとのことです。八幡山と掲げられた山門が廻りの景色とは別世界の雰囲気を醸し出しています。

お地蔵さん
宗圓寺
宗圓寺 しょうづかの御婆様

新町一丁目の手前に「庚申塔」が見えてきました。ブロックでガードされた強固な祠の中に2基祀られています。青面金剛像も三猿も劣化が進んでおり輪郭がやっとわかるくらい、かなり古いものと思われます。

東海道では顔に白粉を塗ったおしゃれ地蔵というのがありましたが、こちらは黄色くなっています、化粧地蔵?なんでしょうか。きれいに花も活けられ掃除も行き届いており地域の人から大切にされていることが分かります。新町一丁目の交差点で街道は右方向、旧街道となり桜新町方面へ向かうことになります。

庚申塔
右方向 旧街道 桜新町方面へ

進むとすぐ「善養院」の参道が左に続きます。1616年創建の曹洞宗の寺院で、豪徳寺の末寺。山門、本堂は木造の重厚なつくりで立派です。山門の先には釈迦堂、梅の花も咲き始めた境内は春の兆しです。

旧街道、桜新町駅の手前にあるのが「桜神宮」で「大中臣 八方清メ」という古式神道の御祈祷を行っています。拝殿では、二拝四拍手の案内があり、慣れていないのでリズムをとるのが難しかったです。桜新町、桜神宮、縁結びの河津桜と桜づくしの華やかな神社でした。ぜひ、桜の季節に再訪してみたいと思います。

善養院 山門
桜神宮

桜新町 → 二子玉川

桜新町といえばサザエさん。早速駅前では「サザエさんとタラちゃん」がお出迎え。街道から少し外れますが、「長谷川町子記念館」と美術館へ立ち寄りたいと思います。街道から「サザエさん通り」を進みます。商店街の幟にもサザエさんとワカメちゃんカツオくんが描かれておりモチベーションが上がりますね。

サザエさんとタラちゃん
サザエさん通り

入館料は900円で、美術館には長谷川町子さんが姉の毬子さんと昭和30年ごろから蒐集した作品が展示されています。アニメの部屋もあります。お向かいの記念館にはサザエさんに登場する生活用具を配した茶の間、作品相関図、データベースなど長谷川町子さん、サザエさんのすべてが分かるファンには夢のような空間です。喫茶コーナーやショップもあり、楽しいサザエさんグッズがいっぱいです。

長谷川町子記念館
記念館 茶の間
公園のサザエさんたち
入場券と喫茶部の金券、リーフレット

街道に戻り用賀方向へ進み、右手水道みちを往けば「大山道追分」の碑が建っています。先には赤門が目を引く「真福寺」です。創建が400年前と伝わる真言宗の寺院、山門は朱塗りであった為、赤門寺と呼ばれていたそうです。境内には芭蕉句碑、太子堂、六地蔵、1736年建立の宝筐印塔などがあります。

大山道追分
真福寺 赤門
真福寺 本堂

田園都市線の用賀駅、首都高速の高架を過ぎると道路に挟まれ頑丈な鉄枠にガードされた「延命地蔵尊」の祠があります。きれいに管理されており延命地蔵の石碑も見えます。

街道は瀬田の陸橋までやってきました。国道246・玉川通りと環状八号線が交差する交通量が激しい名物交差点、渋滞につかまると大変な場所です。

延命地蔵尊
瀬田の交差点

交差点を渡り左手に分かれる静かで眺めがいい旧道をしばらく歩き、更に左方向へ進むと高台の住宅地に入っていきます。1529年開山と歴史が古い「行善寺」の石柱と山門が右手に見えてきました。

小田原北条氏の家臣・長崎氏が小田原に建立した道栄寺を移して小庵であったものを行善寺と改めたとありました。また、高台ということもあり遺跡遺構も見つかっているそうです。境内からの眺望は素晴らしく「行善寺八景」と称され、富士山、大山連峰、夕日が美しいポイントです。現在は、高島屋の赤が目立ちますね。

行善寺
行善寺八景

寺院前の行善寺坂を少し下り左手奥には「法徳寺」。1558年開山の浄土宗寺院で阿弥陀如来が本尊です。開基は瀬田の旧家の祖先である白井法徳、父の基経は足利義明家来であったとのこと。

ここに幕末から明治初期にかけて寺子屋を開いて農村子女の教育に献身した大塚貞三郎を讃えた「筆塚」が境内にありました。

法徳寺
法徳寺 筆塚

坂を下りきって調布橋を渡り丸子川沿いを歩くと「南大山道道標」が建っています、かなり劣化が激しく修復の跡が見られます。1777年に六郷用水脇に建てられたものらしいです。

視界が開けてきました、二子玉川に到着です。駅前のロータリーには「江戸道」石標、道路には二子の渡しが描かれたタイルが見られます。

南大山道道標
二子玉川駅前
道路のプレート 二子の渡し

このまま、多摩川方向へ進むと「玉川東陸閘」、りっこうと呼び、通常時は通行できますが、増水時にはゲートを塞いで堤防の役目をするもの、閉鎖時に使うとみられる角材を入れるための溝が彫られているのが分かります。水害対策はこのようなアナログで地道な対応も必要とされているんですね。

玉川東陸閘
多摩川の堤防

二子の渡し跡を確認して、「多摩川の堤防」に出ました。広い、さすがに眺めがよくて気分爽快です。本日はここまで。赤坂御門から国道246号を都県境まで、渋谷区や世田谷区など、いわゆる東京の高級住宅地を歩いてきたわけですが、生活感や歴史が感じられる、どこか下町も思わせる暮らしやすそうな街道沿いの街でした。

次回は、この多摩川を渡り神奈川県へ入ります。高津から溝の口、鷺沼方面へ大山街道を進みます。

大山街道 街道を歩く その3 はこちらです ↓↓

大山街道 街道を歩く その3 歴史を訪ねる シニアの健康ウォーキング 二子玉川→鷺宮
大山街道 街道を歩く その3 歴史を訪ねる シニアの健康ウォーキング 二子玉川→鷺宮
二子玉川から多摩川を渡り多摩丘陵地のアップダウンを鷺宮まで、約13kmのウォーク。二子新地から溝の口への道のりは街道らしい雰囲気で、ふるさと館では歴史が学べます。宮崎台では電車とバスの博物館を見学、坂道が続きますが心地よい疲労感が気持ちいい街道歩きでした。
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