朝晩涼しくなり秋の到来を感じる今日この頃。
秩父長瀞へ秋の七草めぐりウォーキングに出掛けてきました。
春の七草は、正月明けに七草粥をいただくので馴染みはありますが、秋の七草は??
よく知らなくて今回改めてお勉強を兼ねての健康ウォーキングとなりました。
秋の七草の由来は万葉集に収められている山上憶良の2首の歌が始まりだそうです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七草の花」
「萩の花 尾花 葛花 なでしこ 女郎花 また藤袴 朝がおの花」
長瀞七草寺めぐりの台紙は手に入れました。御朱印をいただきながらのウォーキングです。
台紙は1,000円、御朱印は1寺200円です。
●コース:約13km 所要時間 約4時間
1.「不動寺」→ 2.8Km 約50分 → 2.「真性寺」→ 1.1km 約20分→
3.「法善寺」→ 1.0km 約20分 → 4.「多宝寺」→ 1.8km 約35分→
5.「洞昌院」→ 1.0km 約20分 → 6.「遍照時」→ 3.2km 約55分→
7.「道光寺」→ 0.9km 約20分→
到着:「樋口駅」
1 不動寺 撫子(なでしこ)
長瀞駅から宝登山のふもと、ロープウェイ乗り場に向かい参道を登っていきます。
沢山のお土産や飲食店でにぎわっています。まだ出発したばかり、誘惑を断ち切って進みます。
坂道を登り切ったあたりに位置する不動寺は真言宗醍醐派、本尊は大日大聖不動明王です。
こちらは撫子の寺。かわいいピンクの可憐な花をつける撫子は日本人女性を象徴する花です。
サッカーのなでしこリーグも有名ですし、大和撫子なん言葉もあります。
街の花屋さんでも売られている親しみある撫子は秋の七草のひとつ。確かに可愛くて美しい。
2 真性寺 女郎花(おみなえし)
不動寺を後にし秩父鉄道の野上駅方面へ徒歩約50分で到着。
素朴な造りの真性寺は真言宗智山派の寺院で本尊は不動明王。女郎花のお寺です。
「女郎花」読めませんでしたが、これで「おみなえし」です。
小さな黄色の花が集まった女郎花が咲き乱れた風景は見る人を魅了します、素晴らしい。
名の由来は女性らしい印象に例えられた説があり、一回り大きい似ている白い花で男郎花(オトコエシ)という花もあるそうです。こちらは七草には入りません。
また、根を乾燥させたものは生薬となり婦人病に用いられるお役立ちの花だとか。
古くから大切に愛されてきた花なんでしょうね。
3 法善寺 藤袴(ふじばかま)
真性寺から荒川に向かって金石水道橋を渡ります。
橋の下は見事な景観、オートキャンプ場も見えます。
しばらく歩くと臨済宗妙心寺派寺院の法善寺に到着、本尊は阿弥陀如来です。
こちらはしだれ桜で有名なお寺だそうですが、秋の七草では藤袴の寺。
藤袴はあまりなじみがないのではないでしょうか。茎の先端に小さな花をたくさん咲かせます。
花弁の形が袴のようで藤袴、薬草として伝わってきたそうです。
現在は野山で見られることはめったになくなり絶滅危惧種に指定されています。
4 多宝寺 桔梗(ききょう)
法善寺から歩いて約20分で真言宗智山派寺院の多宝寺に到着。快適なウォーキングが続きます。
金王山観音院と号し本尊は十一面観世音菩薩、脇侍仏は不動明王と毘沙門天。
白と紫の桔梗が咲いています。紫は見かけますが白い桔梗もあるんですね。
桔梗といえば明智光秀の家紋としても有名ですが、自生で咲く姿はほとんど見られなくなった絶滅危惧種。
光秀ファンなので、我が家でも育てています。ききょうは、蕾のときも開花寸前までぷっくらと紙風船のように膨らんでたのしませてくれる花です。
5 洞昌院 萩(はぎ)
平安時代後期に開祖の歴史あるお寺。
真言宗智山派で本尊は不動明王、関東三十六不動霊場の一つに数えられています。
こちらは萩寺、萩の名所として古くから親しまれてきた名刹で広い境内には萩の花が咲き乱れています。
秋の七草の筆頭におかれており万葉のころから秋を感じる代表的な花として万葉集にも多く詠まれています。
有名どころでは奥の細道で詠まれている
「一家(ひとつや)に 遊女も寝たり 萩と月」 松尾芭蕉
このあたりでしょうか。
萩の月なんていうお菓子もありましたね。
マメ科らしく蝶形の紫ピンクの花が綺麗です。
私のイメージは小豆たっぷりの「おはぎ」
そして花札の「萩に猪」の役札、地味だけど頼りになるんです。
6 遍照寺 葛(くず)
洞昌院を出て山道へ入ります。息も絶え絶えに急な上り坂を登りきると到着。
真言宗智山派、正式には野上山金剛院遍照寺、本尊は役行者神変大菩薩。
そして葛の寺です。甘く爽やかな香りがする赤紫の花を咲かせる葛。
葛餅や葛切りなど和菓子を連想しますが漢方薬の原料でもあるんです。
根である葛根の他生薬が入っている葛根湯は風邪のときお世話になる漢方薬で広く知られています。
葛湯も同じく風邪の時に飲用し発汗や解熱に効き目があるといわれています。
和菓子の原料となるくず粉は根から抽出したでんぷん。
食用にも薬用にもなるありがたい植物として昔から人との付き合いも長い植物です。
葛湯、葛切り、葛餅など今でも親しみ深い植物の1つです。
葛の根を乾燥させた「葛根(かっこん)」は民間治療薬として、風邪や胃腸不良などの際に用いられます。
7 道光寺 尾花(おばな すすき)
山を下り、足も相当疲れてきていますが最後7番目の道光寺に向かって線路沿いの道を約3kmラストスパート。
樋口の駅を過ぎて荒川の白鳥橋を渡ると臨済宗妙心寺派道光寺に到着、本尊は釈迦如来。
こちらは長瀞で一番早く開花する「岩田桜」で有名なお寺、秋の七草では尾花の寺です。
山門を入ると本堂の前をはじめ境内に数多くの尾花が植えられています。
尾花って言われて私も分からなかったのですが、「ススキ」のことでした。
けものの尾に似ているところからついた名前だそうです。
お月見には萩とともに欠かせないのがこのススキ、もちろんお団子もかかせませんね。