シニアライフ ノウハウ本で学ぶ豊かな老後 第2弾は 「還暦からの底力」 出口治明

還暦からの底力表紙 定年小説・ノウハウ本
photo by ゆう

本の要約は他のサイトにお任せするとして、こちらでは老後生活の参考書として有効と思われるところをピックアップして考えてみたいと思います。

ゆう
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知らなかった、参考になる、思ったとおりだ、おっしゃる通り、それは考えておいた方がよさそうだな、私も準備しておこう、それはないでしょう、みんな同じような事考えているんだな・・・

私なりに感じた部分を引用し、感じたことを述べさせていただければと思います。
充実のシニアライフを過ごすための道しるべになればうれしいです。

前回、第1弾ノウハウ本「還暦からの人生戦略」に続き、出口さんの「還暦からの底力」のご紹介です。

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還暦からの底力 出口治明

出口さんは現在立命館アジア太平洋大学の学長ですが、ライフネット生命保険株式会社を岩瀬さんらと創業されたことでメディアに登場される機会も多く、世に知られた方です。

ゆう
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歴史番組等でコメンテーターとして出演されている番組を拝見したことがありますが、非常に説得力がある喋り方と事例を交えた内容で人を引き付ける魅力がある方だと思いました。

読書家としても知られ、ご自身の著書も数多くあります。また、成毛さんが代表を務める「おすすめ本」を紹介するHONZのレビュアーもされていました。歴史や哲学、マネジメントなど幅広い著書の中、今回は歴史・人・旅に学ぶ生き方と副題が付いている「還暦からの底力」をご紹介します。

出口さんご自身の豊富な知識と経験からのノウハウでもありますので、シニア世代には参考となる内容が多いと思います。人生100年時代をパワフルに行動するための出口流、初の人生指南書!とあるとおり元気がもらえることを期待しましょう。

「何歳まで働くのか」を考えても意味がない

では、何歳まで働くべきなのか。これはよくある問いかけです。しかし、人間は動物ですから、「何歳まで働く」とあらかじめ決めておくのは全くもってナンセンスです。動物と同じように、朝起きて元気だったらそのまま仕事に行けばいいし、しんどくなったら仕事を辞めればいいだけの話です。

p17

曇天の空から雲がすーっと消えて青空に、そんな爽快な気持ちになりました。
高齢者は65歳以上と定義され年金支給も65歳からとされる世の中で

ゆう
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一体いつまで働けばいいんだ?年金だけじゃ足りないよ、生活費を稼がないと食えないんだよ、65歳はまだまだ若い、

色々な声が聞こえてきます。私もそんな一人ですが、あらかじめ決めておくのは”ナンセンス”とバッサリ切られてしまいましたね。

自然体で歳は関係なく元気なら働けばいいとは、その通りです。しかし出来る事なら嫌な仕事はしたくないのが心情です。これも動物と考えれば生きるためですから、好きも嫌いもないのでしょうが、人間らしく創意工夫をもって働く意味は考えたいところです。

余計な邪念を捨て、シンプルに基本に帰れば出口さんが仰ってる通りだと思います。
あれこれ考えてもしょうがないことも世の中たくさんありますから。私はなるべく「朝起きて元気だったら」の状態が続けられるよう生活を見直すことを心掛けるようにします。
何歳まで働く?という考え方は封印して、健康な体をキープして無理しないで好きな仕事を元気なうちは続けていくという考え方は理にかなっていますね。

「しんどくなったら辞めればいいだけ」と言われて気持ちが楽になりました。
究極のシンプルロジックが出口さんらしくて好きです。

「自己投資」で自分にできることを増やす

世の中でこのように大きな変化が起きているのですから、個人としてもこれまでの経験の蓄積に頼らず、新しい物事を勉強し、チャレンジしていくことが大切になってきます。すなわち、「人・本・旅」による自己投資が非常に重要で、還暦からのお金の使い方としても適切だと思います。何しろマラソンのコースはまだ半分残っているのですから。

p109

我々世代のサラリーマン人生は高度成長期後の安定成長期、バブルで浮かれて、そして崩壊、平成不況・停滞期、一部の方はITバブル、デフレ脱却へのアベノミクス「3本の矢」と続き新自由主義からの脱却と、今日に至っています。

振り返ると大変な時代でしたが変化によく耐え順応してきたと思います。
特にバブル後の停滞は失われた10年とも20年とも言われ、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は何だったんだ?と当時は「給料が上がらない・・・」と愚痴のノミニケーションに明け暮れたものでした。

サラリーマン前半は概ね会社に支えられましたが、後半戦はすでに人生のリスクを個人で考えなくてはいけない時代、危機感を持つことが必要な環境に変わってきたと思っています。

今回、出口さんの還暦からも自己投資との提言を受けて改めて残りの人生への向き合い方が明確になった気がします。マラソンコースの半分残っているといわれると、ちょっとしんどいですが

ゆう
ゆう

現役時代とは違う切り口で「人・本・旅」をテーマに時間とお金の使い方を考えてみることは必要だと思いました。

幸い、人生経験は豊富ですから大変さより楽しさを感じることが出来るのではないでしょうか?
やらされてる感ではなく、あくまで自分がやりたいことを見つけることが目的。旅行会社の勤務経験もある私ですから、特に旅というテーマには魅かれます。知らない方や事との出会いは、何物にも代えがたい財産になると思います。出来る事、知ってる事が増えるのは精神衛生上もよさそうですしね。
出口さんはやりたいことが、どんどん湧いてくるんだろうな~。
少しでも近づくことが出来れば充実のシニアライフがおくれそうです。

パソコンで勉強

「物事の見方」をどう磨くか

そうやってインプットした個々の知識を、「タテヨコ算数」で整理して、全体像をつかんでいくことが大切です。「タテ」とは時間軸、歴史軸の事。「ヨコ」は空間軸、世界軸。算数はデータでものごとをとらえる、ということです。」数字、ファクト、ロジックと言い換えることもできます。

p123

仕事においても人生においても全体像をつかむことは大切です。
時間軸と空間軸で捉えていく、算数で整理するという考え方は分かりやすいですね。

人間の脳は1万年以上進化していないそうです。昔の人と同じ喜怒哀楽や判断が現代生きる人にもあり歴史軸で物事を見ることが大切だともおっしゃっています。

ゆう
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また、エピソードではなくエビデンスが大切である、リアリズムが何よりも重要であるともおっしゃっています。

これは営業職の私には頭が痛い言葉で、印象やお付き合いの幅など感情で物事を推し量ったり、経験に基づく判断、そして勘という名の根拠なき結論、思えばエビデンスなきサイエンスとは程遠い世界で生きてきたのかもしれません。

物事の見方の重要性を分かっていないと、真実は見えてこないということがよく分かります。老後の生活も何とかなるだろう的な安心感は役に立ちませんし、根拠なき社会常識を前提に自らに都合のいいロジックを展開してはいけないと出口さんもおっしゃっています。

数字と事実をよりどころとした論理の積み上げこそ物事の見方として大切であり、これは習慣化できるよう努力しなくてはいけないと思いました。若い方は失敗も良い経験として後々活かされますが、シニアにとってはなるべく思い込みによるリスクは避けなくてはいけませんので前向きに取り組んでまいります。

教養は「美味しい人生」を楽しむためにある

「おいしい人生」を因数分解するとどうなるか。答えはおいしいごはんと一緒で、いろいろな材料を集めることと、それらを上手に料理することです。美味しい人生における食材とは「知識」であり、上手に料理する力は「考える力」です。・・・中略
以上をまとめれば「教養=知識×考える力」という式になり、これはおいしい人生をおくるには必須のものです。

p153

人生の因数分解という発想が具体的でわかりやすく素晴らしいと思いました。教養があればもっと人生楽しく有意義になることは分かっていましたが、漠然としすぎていて術がよく分かりませんでした。
そんな疑問に応えてくれるのがこの因数分解です。
教養は知識と考える力のかけ算であるというところが腹落ちです。

知識は自分の努力で増やせますし、昔と比べればネットなど手に入れる手段は多く見つかります。
考える力を料理する力とすれば、実践を積み上げて力を習得していくことが必要だと思います。
では、考える力を養うにはどうしたらいいのでしょうか?それは「古典」の型を真似ることだそうです。

考える力が高い人たちが書いた本をていねいに読み込んで思考のパターンや発想の型を真似し、試行錯誤を繰り返して自分の物にしていくことが最善の方法であるおっしゃっています。ちなみに古典で考える力が高い人たちということで、アリストテレス、デカルト、アダム・スミスの名前をあげていらっしゃいました。
私の遠い記憶をいくら紡いでみても国富論ぐらいしかうかんできません。1から出直します。

スマホで勉強

世の中の変化はスピードが速く、昔の知識が陳腐化して役に立たなくなってきています。
老後も必要とされる人と人とのつき合い方も変化していることを感じます。
日々学び続けることは必要ですし、考える力も磨きそれらを掛け算することで人間関係においても多様性をもった関係が気付けるようになりたいですね。美味しい人生を送りたいシニアにとって必要なスキル、教養を身に付けることの重要性が再認識できました。

自分の底力を考えてみる

学ぶこと、チャレンジを続けることなど重い話が続いてきましたが、そんなこと自分に出来るのだろうか?
理屈は分かるんだけど、いざ実践となると大丈夫だろうか?少し不安になってきました。

ゆう
ゆう

タイトルには底力とあります。ヒントかもしれませんので改めて底力について考えてみたいと思います。いざという時に出る力、備わっている能力のことなんでしょうが自分に当てはめるとどうでしょう?

自分の人生でいざという時ってなんだったでしょう?受験、プロポーズ、徹夜の連続残業、競馬で大損からの復活、色々ありますがチョット違う気もします。大きな病気も幸いありませんしピンとくるものはないかなと思っていたら、ありました。最大のピンチが。

私は山登りを付き合いで年に数回やっています。10年以上前になりますが北アルプス山行二日目の午前中に木道で転倒、足首を強打したのですが痛みはさほど強くありませんでした。みんなに迷惑がかかるといけないので一人下山することになったのですが・・・詳しくは長くなるので簡単に話しますね。
結果的に骨折してて、その足で標高差800メートルの高さを登り返し標高差1,000メートルの山道を下って暗くなるギリギリで下山したという、涙なしでは語れない経験がありました。
まさしく、あれは底力だったと思います。

薬師平
二日目の朝、気分爽快だったのですが・・・この後 (*_*)
薬師雪渓
ひとりで登り返す途中、まだ痛みはそれほどでも・・・・しかし

あの時の体験を思えば自分に出来ないことはないという自信がわいてきます。
そうです、自分はできるという自信、自己肯定感が人生には必要なんですね。

本の帯に「人生の楽しみは喜怒哀楽の総量で決まる」とあります。
多くの経験やチャレンジが楽しい人生を作っていく。その通りだと思います。

みなさんも経験や体験をヒントとしてご自分の底力を再認識してみてはいかがでしょう。
自分の価値を改めて考えてみてください。きっと勇気100倍の自分が居るはずです。

おわりにで、87歳で生涯を終えたファッションデザイナー「ココ・シャネル」の言葉
「何かを知ることそのものが人生を楽しくしてくれる」を紹介されていました。

知らなく生きることは不幸なのかもしれません。
人生これから、還暦の底力を発揮してまだまだ挑戦続けていきましょう。
とても元気がもらえる本でした。

最後に私が好きなココ・シャネルの名言を紹介します。

私は無よりも大失敗を選びます

ココ・シャネル 31の言葉めくり
シャネルカレンダー
                    photo by ゆう
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