おいしい日本酒定期便「分福」が届いたので、今回は煮こごりに挑戦。
分福酒造は群馬県館林市の文政8年(1825年)創業の手造りにこだわった酒蔵。学生時代からの長い付き合いがある蔵元は当時からまじめで前向きな性格。今も変わらない実直な人柄で酒造りに真摯に向き合うプロ中のプロ。
社会人経験を経て家業に戻った彼、当時は当然素人なわけで、それからの勉強と研究はすさまじい努力があったことと思います。
結果、日本酒は飲まなかった私でさえクセになる素晴らしいお酒を完成させました。
伝統を守りつつ、それに甘んずることなく自分の個性を足していく、理想の事業承継ですね。
私が語れる立場ではありませんが、麹と酵母の仕事が感じられる深い味わいで、一度口にしたら忘れられなくなります。飽きないんですよ、このお酒。
特にお勧めは「純米吟醸 直汲み生原酒」、槽口の生原酒で直汲みですから多少の滓が絡んでいます。この滓がいいんですね。上品な旨みと香りが楽しめます。
そして、独自の取り組みとして分福酒造サポーター俱楽部があります。年4回蔵元お薦めのお酒が届くシステム。オリジナルのネーム入りトートバッグのプレゼントもあります。
直接お客様と繋がり、評価を確かめ更なる向上に努める蔵元の意欲のあらわれです。
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当然、私もメンバーで、今回4回目のお酒が届いた次第です。飲むのは暫し我慢して、気合を入れて煮凝りを作りましょう。
煮こごりは魚やお肉を煮て調理した際に、ゼラチン質の残り汁が冷えて固まった物。素材の味が凝縮されており濃厚な味わいが魅力、美味しくないはずがありません。
子供の頃、おばあちゃんの家で煮魚の鍋に固まった煮汁をよく見たことを覚えています。当時これは好みではなく、どちらかと言えば、手羽先の煮た鍋にできた固まりの方が好みだったと記憶しています。
フグの皮が入った煮こごりは小料理屋さんで見かけます。煮こごりとは違いますが、フレンチの前菜で出てくるカラフルな野菜のテリーヌも美味しいですよね。やはり、プルプル食感がポイントです。
その煮こごりが料理用のゼラチンで作ることができるということで、今回はうなぎの煮こごりを作ってみることにします。作り方は、ショートカット感が否めないので味はどうなりますか。
●準備するもの(約四人前)
・うなぎの蒲焼き 1/2枚(80g~100g)
・水(ゼラチン用) 大さじ4
・粉ゼラチン8g
☆調味料
・水 300cc
・みりん 大さじ1/2
・しょうゆ 大さじ3/4
・蒲焼のたれ大さじ1
・和風顆粒だし 小さじ1/3
材料さえ揃えてしまえば、あとは簡単。
まず、大さじ4杯の水にゼラチン入れてふやかします。
次にウナギを1cm幅くらいに切っていきます。
次に、材料にある☆調味料を鍋に入れ中火で煮立たせ、うなぎの切り身を加え軽くなじませます。
この時点でウナギ好きには、この上ないビジュアルが拡がります。
身を取り出して、タレにゼラチン入れて混ぜます。
うなぎの切り身をトレイに並べて煮汁を流しいれます。
皮など細かい汚れが出てきますので、茶こし等を使い出汁の透明感が無くならないよう注意してください。仕上がりの美しさが違います。
粗熱を冷まして、2時間冷蔵庫で冷やせば出来上がり。
ご覧の通り、簡単に出来ちゃいます。
材料も調味料も簡単なものなので、少々味に不安があったのですが。。。食べてみると思いのほか美味しくて、お酒も進みます。さすが、うなぎが持つ旨味のパワーは絶大だ。わさびを添えても良いですね。
ポイントとしては、出汁をもう一工夫すると味の拡がりが変わるので引き続き研究が必要です。
この料理はシンプルなゆえに、味のごまかしが効きません。
どんなウナギを使うかで、全ての味が決まるといっても過言ではありませんので、材料のうなぎの選定には注意しましょう。堅さも好みですが、もう少し堅めの方が私には好みだったかと思いました。
お手軽に出来るのが、この手の料理のいいところ。いろいろ応用も出来そうです。
今度は洋風コンソメ味で具沢山のテリーヌにも挑戦してみようと思います。