プチ贅沢でデパ地下のお惣菜やお弁当を買った経験はみなさんもありますよね。
地下から上層階へたまには場所を変えてみませんか?高級ホテルのレストランはさすがに予算的に厳しいですが、ここなら大丈夫。
フレンチやイタリアン、懐石料理、全国の有名人気店などレストラン街は魅力がいっぱい。
価格的にリーズナブルですし、お店も綺麗、さすがデパートです。
たまには贅沢な空間と美味しい料理を味わいましょう。
※画像はクリックすると拡大でご覧いただけます。
鮪花壇 大丸東京
東京の玄関、日本の玄関とも言われる東京駅、西の皇居側が丸の内口、そして東の海側が八重洲口となります。丸の内から見たレンガ造りの美しい駅舎は国内外共に人気NO1です。2012年に八重洲口が改装され、大丸グランドオープンから早いもので10年以上経ちました。
その後も東京駅の進化は続いており、2022年にグルメスポット「グランスタ八重洲北」、2023年にはグランリーフがオープン、ガーデンも楽しめるようになりました。
大丸東京もブランドショップをはじめグルメスポットも多く、人気を博し進化を続けています。レストラン街は12階と13階。13階はXEX TOKYOでイタリアン、鉄板焼・和食、バー&カフェのフロアー。12階は日本料理、フレンチ、イタリアン、中華、寿司、天ぷらと16店舗が揃っています。
大丸と言えば京都、前回は老舗の伝統を提供してくれる「八坂 圓堂」さんで美味しい天ぷらを頂きました。今回も京都にこだわり、おばんざいと本鮪のばらちらしが頂ける「鮪花壇」さんでランチです。
大きな鮪が描かれた真赤な暖簾が目を引きます。シューウインドウも賑やか、電飾メニューPOPには今月のお薦めの案内。ばらちらしとお肉の両方頂ける内容にググっときました。
まずは入店、直ぐにテーブルにご案内頂きました。少し遅めのランチなのでお店も空いてるし、テーブルは広めにスペースが取ってあるので、ゆっくりと食事とお酒が楽しめそうです。
華やかなメニュー表、各ページから繰り出されるおいしそうな写真、迷ってしまいます。特選ばらちらし重御膳をはじめ、お造り御膳や本鮪の出汁茶漬け御膳、本鮪の蒲焼き重御膳なんて言うのもあります。
入口で見かけた一目ぼれの今月お薦めの他、もう一つをどうするかが迷うところ。やはり、ここは京都のおばんざいをメインにした「特選豆皿御膳」をセレクトしましょう。6種類のおばんざいは魅力、お酒も進みそう。
例によって生ビールで疲れを癒します。スーパードライのジョッキでモチベーションアップ。
ここで、オーダーのおさらいです。
●今月のお薦め
「本鮪・鰤のばらちらしと黒毛和牛肩ロース肉の石焼き御膳」3900円。
〇セット内容
・本鮪・鰤のばらちらし
・黒毛和牛肩ロース肉の石焼
・おばんざい2種
・銀鮭の西京焼き
・茶わん蒸し
・お吸い物
・お漬物
●おすすめミニ懐石
「特製豆皿御膳」3900円。
〇セット内容
・豆皿6種
・ばらちらし(ハーフ)
・焼き物
・揚げ物
・お吸い物
・お漬物
逸品料理メニューは「胡麻豆腐の揚げ出し」、「大山鶏のから揚げ」、「お漬物盛り合わせ」どれも魅かれるラインアップ。迷いに迷って「京風だし巻き玉子」880円をオーダーすることに。だし巻き玉子って、お店によって味が違うので京風と名乗るこの逸品、どのようなだし巻きがくるのでしょう。
ほどなくして、今月のお薦めが運ばれてきました。見た目も華やかで豪勢でイメージ通り、和牛肩ロースの石焼ステーキがジュージュー焼ける音と香りが食欲をそそります。
続いて特製御膳のおばんざい6種が到着、料理の見た目も美しいですが、それに合わせたお皿のバリエーションが見事。有田、九谷、瀬戸、美濃など日本の素晴らしい焼き物を連想させてくれる器への気遣いは素晴らしい。
そして、鮭の西京焼き、天ぷら、ばらちらし、お吸い物も運ばれてきます。
最初はおばんざい、お出汁トマトをいただきます。上品な酸味がお口に拡がります、今まで食べたことがない味。トマトがお出汁にマッチするとは驚きました。次に大好きな〆鯖、ラー油がピリリときいたピリ辛ソースが掛かっています、これも初めて経験するお味。酢とラー油は愛称が良くて違和感なし、美味しくいただけます。
この発想はどこから出てくるんでしょう、本当に料理は奥が深く可能性は無限、勉強になります。
小松菜のおひたしでお口直しをして、揚げたてのすり身をおろしポン酢で頂き、本鮪の山かけへ。お酒も進みます。とり団子と大根の煮ものをつまんでいると、だし巻き玉子がやって来ました。
キラキラ輝いています、こんなに美しく整った出汁巻きは初めてかも。今日はお初のオンパレード。切るのがもったいないビジュアル。味は思ったより濃い目のしっかり出汁で、いわゆるコクと深みがあります。
全体的に京風に抱いていたイメージとは違い、味がしっかりついています。濃い口で育った私好みの味で大満足、そういえば京都ラーメンは濃い口醬油系や背脂系が人気でしたね。
鮭の西京焼き、漬け具合と焼き加減共に程よく箸がすすみます。京都といえば白味噌、白味噌といえば西京味噌は外せません、この甘みが魚の旨味を引き出します。これは日本酒とあわせたくなる味、それも吟醸系だ。
お酒のメニューも豊富で、酎ハイ、ハイボール、焼酎、ワインと揃っています。日本酒は京都、岩手、愛知、新潟、青森、三重、福島、佐賀、秋田と全国のお酒が並びます。三種きき酒飲み比べもありますが、今日は純米吟醸の「八海山」、新潟を責めます。
お店の担当の方が一升瓶をもって登場。受け皿とお猪口の上下ダブル表面張力で注いで頂いたお酒に、思わず生唾をごくり。吉田類ばりに、ここはキツツキ戦法で口からお猪口へ向かいます。
まだ、お肉も天ぷらも手を付けていません。茶わん蒸しもあります。お肉はミディアムレア、和牛らしい甘みのある脂身は肩ロースならではの味わいです。マスカルポーネチーズが載ったおばんざいは、ほんのり甘く箸休めにもぴったり。
天ぷらは海老にイカ、しし唐と多くも少なくもない、ちょうどいい量です。残すストレスがありません。
そろそろお吸い物で胃を洗って、メインの「ばらちらし」とまいりましょう。握りではないお寿司を、一般的には、関東では「ちらし寿司」、関西では「ばら寿司」と呼んでいます。関東はお刺身が酢飯のどんぶりの上に載っていて、醤油をつけて食べるのがちらしのイメージなので、このばらちらしという名前は分かり易くてしっくりきます。
赤い宝石いくらと本鮪、鯛、海老、胡瓜とさやえんどうのグリーンがさし色としてきいています。椎茸、人参、胡麻が更に魚の味を引き立てます。このミックス感が握り寿司にはない「ばらずし」の良さ。
そして、酢飯は赤シャリ。赤酢は米酢と比べて酸味がまろやかでうま味があり香りも強め。このばらずしは醤油なしで、このまま頂けるお味に仕上がっています。
ここまで食べて飲んでも、デザートは別腹という奥様。リクエストにお応えして、濃い抹茶アイス380円とおだんごは黒蜜ときなこ250円を注文しました。
私は、もはやデザート不可と思っていたのですが一口抹茶アイスを頂くと、あら不思議、団子も食べたくなってきて一つ頂いてしまいました。京都へのこだわりは、抹茶アイスのお皿にも。高山寺「鳥獣戯画」が描かれてます。
京都の家庭料理を意味するおばんざい。江戸前とは違い内陸にある都だからこその工夫、素材の味を活かす、ひと手間かけた創作料理、まだまだ奥が深そうです。いつかは京都で味わってみたいですね。