人生100年時代、この言葉もすっかり定着してきました。120歳まで見えてきているとも。
しかし、何もしなくて成り行きで長生きできる訳ではありません。
寿命が延びることは喜ばしいのですが、大切なのは健康寿命を延ばすこと。幸せな老後を過ごす条件です。
シニアライフハックでは、豊かな老後を過ごすために小説に学ぶシリーズ5冊とノウハウ本に学ぶシリーズ5冊をセレクトして紹介してきました。
引き続き豊かな老後を手に入れるため「老化に負けない豊かな老後」と題して、参考書となる書籍をセレクトし勉強していきたいと思います。
「いつまでも若くありたい」というのは昔から人としての願望です。
今は情報化時代、多くの老化対策に関する情報があふれています。
最新の情報を入手して豊かな老後への準備を進めていきましょう。
今回も5冊選んでみました。どれも興味深い内容ばかりです。
- LIFE SPAN: 老いなき世界 – 2020/9/16 デビッド・A・シンクレア
- 70歳が老化の分かれ道 – 2021/6/9 和田 秀樹
- 最高の体調 – 2018/7/13 鈴木祐
- 医者が教える食事術 最強の教科書―― – 2017/9/22 牧田 善二
- 腎臓が寿命を決める 老化加速物質リンを最速で排出– 2022/1/26 黒尾 誠
1回から5回までのシリーズで順にご紹介していきます。
LIFE SPAN 老いなき人生 デビッド・A・シンクレア
第1弾はLIFE SPAN老いなき世界。世界中20か国で刊行されているベストセラー、世界を代表する著名人、知識人から称賛されている注目の1冊です。
著者はハーバード大学医学大学院教授、長寿研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏。
老化と若返りの第一人者で「医療におけるトップ50人」(2018年)の1人にも選出されています。
概要について
本文は、何を知っているのか(過去)、何を学びつつあるのか(現在)、どこに行くのか(未来)
として3部構成になっています。
第一部(過去)では老化の原因
第二部(現在)では長寿遺伝子を働かせる方法、薬、医療について
第三部(未来)では世界はこうなる、築くべき未来という内容です。
500頁近い内容ですから、全体のサマリーとして気になる目次の見出を一部拾い出しただけでも下記のとおり。
これで大体の内容と流れが分かります。太字部分はゆうが老化に負けないというテーマから特に興味を抱いた部分です。
第一部・・・私たちは何を知っているのか(過去)
・遺伝子変異が老化の原因ではない証拠 59
・老化の唯一の原因は存在しないという玉虫色の見解 60
・私の考える「老化の情報理論」—老化とはエピゲノム情報の喪失である 65
・劣化したアナログ情報回復できる 68
・生殖とDNA修復を調整しているサーチュイン 71
・適度なストレスが長寿遺伝子を働かせる 75
・エピゲノムの変化が老化の原因だ 89
・サーチュインが酷使されると何が起きるのか 107
・エピゲノムを安定させれば若返りも不可能ではない 131
・「老化は疾患である」という王立協会の記号の主張 135
・老化を病気と認めるための思考実験 160
第二部・・・私たちは何を学びつつあるのか(現在)
・健康長寿の為に誰もが取り組めること 168
・間違いなく確実な方法—食べる量を減らせ 171
・間欠的断食—画期的な健康増進法 180
・アミノ酸を制限する—なぜ肉は危険なのか 185
・運動する人ほどテロメアが長い理由 190
・寒さに身をさらして長寿遺伝子を働かせる 194
・サウナの効果 高温は人体にプラスか 202
・タバコや有害な化学物質、放射線は老化を早める 204
・メトホルミンが持つ健康長寿効果の発見 221
・サーチュインの燃料となるNAD 235
・老化はリセットできる 273
第三部・・・私たちはどこへ行くのか(未来)
・長寿社会に対して誰もが抱く不安 354
・大量消費・大量廃棄という問題 361
・かってないほど広がる格差 371
・寿命を延ばすことは「不自然」なのか 387
・人生の終え方を考える 437
・健康長寿社会に向けて働き方を考え直す 455
それでは簡単ですが、要旨をまとめてみましょう。
老化は病気である
悲しいことに、平均寿命は延びているが健康寿命とイコールではありません。
著者の祖母は92歳で亡くなりましたが、80代半ばには抜け殻状態、本当の祖母はとっくに死んでいた。
晩年はみんな辛い思いをしながら医療を受けながら死んでいく。
健康寿命も延ばさなくてはいけない、よりよい人生を延ばすことが大切と主張されています。
若さ→DNAの損傷→ゲノムの不安定化→DNAの巻きつきと遺伝子調整(つまりエピゲノム)の混乱→細胞のアイデンティティの喪失→細胞の老化→病気→死
p99
身体の仕組を簡単に理解することが、まずは必要。
我々の身体はゲノムとエピゲノムと言う2種類の情報を持っています。
ゲノムは遺伝子の情報・DNAです。これはデジタル情報で劣化しないで何度でも再生可能。
エピゲノムは遺伝子の働きのオンオフを司り、細胞の違い、どのような細胞にするかを決めているもの。
アナログ情報で劣化リスクがあります。
このように老化には原因があるので病気と言える。
老化とは癌をはじめ、あらゆる病気の元であり、老化とはゲノムの再生化の問題。
これはエピゲノムの混乱と考えられます。サーチュイン遺伝子はDNAの修理と、どのような細胞にするかの指示両方を担っている。優先順位はDNAの修復。こちらが忙しいと、どのような細胞にするかの普段の仕事が疎かになりエピゲノムに的確な指示が出せなくなる。エピゲノムはアナログ情報なので指示が甘いと間違いを犯し細胞のアイデンティティの喪失につながる。すなわち老化が進むことになる。
老化を防ぐ 細胞を活性化する
病気であるということは治療法があるはず。老化の原因はエピゲノム情報の喪失、遺伝子が傷つくことでもあります。エピゲノムが正常に働けば細胞の再生化に問題は起こらないので治療法はここです。
なので、老化を防ぐ治療する方法論としてはエピゲノムが劣化するのを防ぐ必要があります。
この役目を司るのが長寿遺伝子ともいわれているサーチュイン遺伝子、このサーチュインを活性化させ修復をスムーズに行うことがポイントとなります。
では具体的にどのような方法があるのでしょうか?
それは、サーチュインを鍛えること。適度なストレスをかけることが必要であると紹介されています。
間欠的断食ーーー画期的な健康増進法
p180.181
食事の量は普段と変えないものの、食事を抜く時間を周期的に差し挟むとというものである。
~中略~
現在では人間を対象にした研究から、カロリーをときおり制限すると多大な健康効果が得られることが裏づけられている。
アミノ酸を制限するーーーなぜ肉は危険なのか
p186
動物性タンパク質にマイナス面のあることは、ほとんど議論の余地がない。動物性に片寄った食生活を送っていると、心血管系疾患による死亡率とがんの発症率が共に高まることが数々の研究で報告されている。
運動する人ほどテロメアが長い理由
p191
運動をするとNADの濃度が上昇し、それが今度はサバイバルネットワークを作動させる。そのおかげでエネルギーの産出量が上がり、筋肉は酸素を運ぶ毛細血管をさらに増やすようになる。
寒さに身をさらして長寿遺伝子を働かせる
p195
身体が安定した平衡状態を求めようとすることを「ホメオスタシス」といい、あらゆる生物に共通する原則だ。これがサバイバル回路を導き力となっている。とりわけ気温が低いときに顕著に現われる。
このほかにも、薬やサプリメントを利用する方法もあります。
将来的に老化を防ぐことは医療費の軽減や社会保障の健全化にもつながりますが、格差の増大や人口増加など課題も。健康寿命が延びることで、どう生きるべきかを我々自身に問いかけなければいけません。
以上が、かなり省略していますが内容となります。
まとめ
・老化は病気である
・ゲノムはデジタル情報、エピゲノムはアナログ情報
・老化の原因はエピゲノムの混乱
・サーチュイン遺伝子を活性化させ老化を防止
適度なストレスをかけることが必要
→カロリーコントロール
→動物性たんぱくを制限する
→運動
→寒さに身をさらす
また、長寿を手に入れた将来の社会や生き方についての考察もされています。
この他サプリメントや薬で老化を防ぐ方法も紹介されています。
今回ご紹介しているのは著書の一部です。
内容が複雑なのでイメージ図にしてみました。
詳細については、ぜひ本書をご覧ください。
私は今年63歳、あと2年で年金受給者となります。
仮に元気で100歳まで生きられるなら、まだまだ残り37年もあることになります。
大袈裟かもしれませんが人生もう一回あるといっても過言ではありませんよね。
今日までのスキルを活かすか、新たなものに挑戦するか?自分がやりたかったことを目指すのか?
そもそも何をやりたかったのか?考えなきゃいけないこと沢山あります。
二十歳の学生には戻れないけど、この先数十年何かに挑戦できると分かれば身も心も引き締まるし、若い頃と違って経験値も多々ありますので楽しい老後を過ごす方法は無限にありそうです。
引退という概念は捨てて、しっかりとプランニングして現役を続けることを目指します。
長生きするなら毎日ぶらぶらしてても世の中の為にはならないし、生きていく意味も見当たりません。
この世で生きてくからには、基本に立ち返り社会貢献は大切な事。まずは働けということか。。
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