定年後はどうするか?このような未経験の事を考えるときは情報収集?勉強?
受験勉強ではありませんがシニアライフの老後参考書や過去問があれば心強い味方となります。参考書となるものは??ありました、巷には定年に関するノウハウ本が花盛りです。
Amazonの評価やレビューを参照に本をセレクトして老後対策における傾向と対策を調べてみることにします。
老後生活を考察しましょう
今時の情報収集はYoutubeという手もあります。画像と音声で非常に分かりやすくストレスなく便利です。また、Voicyのような音声配信サイトも聴くことの大切さが見直されつつある昨今人気急上昇ですね。
今回、自分で考えて探して選んで、目で見て、読んで、考えるという少々面倒な行為ではありますが脳みその老化予防も兼ねて本という媒体から情報収集を試みたいと思います。
独断と偏見でまずは5冊選び購入しました。これから順々に読了後所見を記していくこととします。
定年・還暦に関する書籍5選 ノウハウ編
- 還暦からの人生戦略 佐藤優 2021.6.2
- 還暦からの底力 出口治明 2020.5.20
- 58歳から日々を大切に小さく暮らす ショコラ 2019.7.20
- ビンボーでも楽しい定年後 森永卓郎 2018.10.6
- 定年後 50歳からの生き方 楠木新 2017.4.19
還暦からの人生戦略 佐藤優
シニアライフ、ノウハウ本で学ぶ豊かな老後、第1弾は佐藤優さんの「還暦からの人生戦略」です。
外務省出身ということもあり外交や政治など固く難しいイメージの著書が多い佐藤さん(私見ですが)。
そんな著者が還暦を語る本ということで興味がわきエントリーしました。
ご本人も還暦過ぎということもあり共感が持てる具体的な内容で、分かりやすい言葉と文体で読者層を意識してかなり気を使われているのかな~という印象です。
肩がこらない読みやすい本で、著者のやさしさが伝わってきました。
人間関係や働くこと、お金、学びと教養、そして死という重い問題まで幅広く語られています。
第一章から「孤独」と「不安」という身近な心配事が語られており一気に読み進むことができます。
一部ネタバレになるかもしれませんが、私に刺さった部分を引用しながら感想を述べていきたいと思います。
還暦からの心構えについて
「人生を航海にたとえるなら、還暦とはすでに遠洋航海を終えて港に戻ってくるころでしょうか。嵐や荒波を乗り越え、母港に帰ってきて錨を下ろす。自分を安定させたうえで、その錨の遊びの範囲で残りの人生を充実させるのが還暦以降のイメージかもしれません。」
p27
しっかりと自分が歩んできた道を見つめなおして、足元を固める。現実をしっかりと見つめて冷静に受け入れる。私にはそう仰っているように聞こえます。自分はどんな錨を持っているか?確認しなくてはと痛感です。それによって遊びの範囲も変わる訳で、錨がしっかりしていないと始まらないということですね。
私も少ない退職金を元手に新たな事業にチャレンジ!という気持ちが湧かないわけではないですが、起業とかは今一度よ~く考えた方がいいかもしれませんね。
確かに戦線拡大という発想は場を読まなくてはです。撤退と考えれば守りを強くしたりマイナスのミニマム化、積極的消極主義が還暦後には必要だということにも納得です。
還暦からの働くことの意味
「昔の肩書や収入は過去のものとしてリセットし、裸になった自分がいったいどれだけの労働力としての価値があるのかを現実的に見極め、受け入れる必要があります。」
p80
同じ会社に長く勤務していると、そこには自分の市場価値というものを考えなくなった自分がいます。
自分の仕事や能力は
- 顧客の為になっているのか?
- 世の中の役に立っているのか?
- 会社のために働いていたのか?
- 自分のために働いていたのか?
- 家族のために働いていたのか?
この本を読むことで、改めて働くことの意味について考える機会が得られました。
収入は大切ですが、定年後は今迄経験のない新たな領域の仕事にチャレンジするのもいいかも。
多少勇気は要りますが、今更こわいものはありませんから大丈夫でしょう。
新しい仕事をしている自分を想像すると何だか楽しくなってくるのと、気持ちが若返った気がします。
全然違う分野の資格の勉強をするのも案外楽しいかもしれません。
老後の新たな自分探しの旅のプランを今から考えてみたいと思います。
還暦からのお金とのつき合い方
「還暦前後の人たちには、かってのバブルの感覚がどこかに残っている可能性もあります。生活を楽しむことがゆとりと文化を育むことは間違いないのですが、60代の人たちは今の若い人たちの生活保守主義に学ぶところが大いにあると考えます。」
p98
私の20代は世の中バブル真っ只中!当時の感覚は強烈な分、確かに残っています。今も習慣として無意識にやってることがバブル的なところもあるかもしれません。時代も価値観も時間が流れるスピードも変わった訳ですから、あの頃の感覚で生活していていいはずはありません。反省です。
若い人たちの生活保守主義とあります。還暦すぎると物欲も昔ほどありませんし、食も細くなってお金もかからなくなってきましたので、かなり保守的になってきた感じはあります。・・・が
言われてみると、ランチは営業職の習慣もあり外食が当たり前で、東京ということもありますが、未だに1,000円前後のランチ、それもコーヒー付だったりするものを食するのが通例となっています。
お弁当を持参したり、コンビニでバリエーションを駆使してワンコインで済ませることが普通になっていることを考えると、やはりずれているのかもしれません。先を考えると日々の行動に現実感覚を真摯に受け入れるべきと思いました。
還暦からの学びと教養
「そもそも真の教養とは幅広い知識と見聞を深めることで、物事を相対化してとらえられる力だとも言えます。・・・真の教養とは相手の立場になり、相手の思考と感性に合わせて想像し、理解することが出来る力だと言えます。」
p142
知的欲求を満たすことは、とても楽しいことと昔から感じており好奇心旺盛な人生を歩んできたつもりです。しかし、お恥ずかしい話ですが、そこに教養という概念はあまりありませんでした。
たぶん単なる趣味的な領域として捉えていたように思います。
物事を相対化する能力は多少身についていたと思いますが、相手の思考と感性に合わせて理解することについては、ほぼ欠如していたと思いますし意識が低かったことが悔やまれます。これを機に、遅いかもしれませんが真の学びと教養を身に付けられるよう考え直したいと思いました。
人生戦略
職務上、営業戦略や商品戦略、経営戦略など常に戦略という文字に追いつ追われつの社会人生活でした。
戦略とは進むべき方向性を俯瞰的にマクロで考えGOAL設定し、計画から運用までのプロセス・シナリオ設計をするということです。
今回の人生戦略というお題も、まさしく老後への方向性を考え既成概念に軌道修正を図るための指南書として最適だったと感じています。
内容的には総花的で少しもの足りないと感じる方もいらっしゃると思いますが、老後という未知の世界に対してはマッピングをすることから始めるのが得策だと思います。そのためには、まずは広く知ること、知らないことがあるとシナリオに大きな狂いが生じて、後々大変なことになります。
課題としては今回感じたことや課題を基に、もう少し突っ込んだ具体的な内容の老後戦術プランを策定してみようと思います。老後生活の戦術は戦略と違い、人によってやり方や順番が違っていてもいいと思いますし、自分に合った無理のない楽なやり方を考えればいいのではないでしょうか。
自分なりの老後へのロードマップを描いていきましょう。