人生100年時代、この言葉もすっかり定着してきました。120歳まで見えてきているとも。
しかし、何もしなくて成り行きで長生きできる訳ではありません。
寿命が延びることは喜ばしいのですが、大切なのは健康寿命を延ばすこと。
幸せな老後を過ごす条件です。
シニアライフハックでは、豊かな老後を過ごすために「小説に学ぶシリーズ」と「ノウハウ本に学ぶシリーズ」として紹介してきました。
続いて「老化に負けない豊かな老後」と題して、参考書となる書籍をセレクトし5冊紹介してきました。
こちらでまとめ記事として紹介していきます。
「いつまでも若くありたい」というのは昔から人としての願望です。
今は情報化時代、多くの老化対策に関する情報があふれています。
最新の情報を入手して豊かな老後への準備を進めていきましょう。
興味がある紹介本の詳細については個々のリンクから本編をご参照ください
LIFE SPAN 老いなき人生 デビッド・A・シンクレア
第1弾はLIFE SPAN老いなき世界。世界中20か国で刊行されているベストセラー、世界を代表する著名人、知識人から称賛されている注目の1冊です。
著者はハーバード大学医学大学院教授、長寿研究の第一人者であるデビッド・A・シンクレア氏。
老化と若返りの第一人者で「医療におけるトップ50人」(2018年)の1人にも選出されています。
概要について
本文は、何を知っているのか(過去)、何を学びつつあるのか(現在)、どこに行くのか(未来)として3部構成になっています。
第一部(過去)では老化の原因
第二部(現在)では長寿遺伝子を働かせる方法、薬、医療について
第三部(未来)では世界はこうなる、築くべき未来という内容です。
目次
- 概要について
- 老化は病気である
- 老化を防ぐ 細胞を活性化する
- まとめ
70歳が老化への分かれ道 和田秀樹
和田秀樹さんは私と同年代、私の世代には医師というより受験アドバイザーとしてのイメージが強い方です。
受験勉強に関する書籍を数多く出版されていますが、最近は医療関係、老化に関する著作が多くあります。
30年以上も高齢者医療の現場に携わってこられたことは存じ上げませんでした。
精神科医としての鋭い切り口は興味深い内容が多く、今回セレクト。
長生きさせる医療と健康でいさせてくれる医療は違う
コレステロールが高い人ほど元気で頭がしっかりしている
血圧や血糖値が高めの方が頭がはっきりする
食事制限で生きる楽しみを奪われると元気のないお年寄りになる
おいおい、今まで聞いていた話とは違いますね~ どれも朗報ではありませんか。
コレステロールと血圧の薬を飲まされている私にとっては・・・(^^♪
老後の健康問題については様々な学説がありますので複数の情報を入手して自分なりに考えてみることが大切。
和田さんが対談で仰っていたのですが、この本は人に進めたくなる本だと言われたとのこと、理由は3つ
①免許は返納するな
②医者とのつき合い方を考える
③男性ホルモンについて
この3つについての言及が好評らしいとのことでした。
どんな内容が展開されるのか楽しみです。
目次
- 概要について
- 「70代」の生き方が健康長寿のカギ
- 老いを遅らせる70代の生活
- まとめ
最高の体調 鈴木祐
鈴木さんはご自身のブログ「パレオな男」で健康や科学に関する知見を紹介されているサイエンスライター。
出版社勤務を経て独立。数多くの科学論文読破、海外の学者へのインタビューを重ねヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌を執筆。エビデンスを基にした内容が好評でブックライティングで手がけた書籍は100冊超え。
本書の「はじめに」で現代人が抱える問題について下記のように述べられています。
鬱病、肥満、散漫な集中力、慢性疲労、モチベーションの低下、不眠、弱い意志力など、一見バラバラのように見える問題も、根っこまで下りてみれば実は同じもの。
p5
すべては一本の線でつながっています。
そして、その正体を暴くカギが、「文明病」という考え方なのです。
本書はこれらの問題を総合的にアプローチしていくものです。
筆者も本書の知識を実践しつづけ、結果、人生を良い方向に変えてきたとのこと。
鈴木祐さんは、体調不良改善の為に
狩猟採集民の食事を目指し加工食品をやめ
精製穀物の量も減らし
野菜や魚の量を増やし
間食はゆで卵で代用
食物繊維が豊富なさつまいもを主食に
さらに早歩きウォーキングや筋トレの運動を取り入れ
仕上げはメンタルの改善
これら取り組みに成功され、人生でもっともリラックスした時間を過ごせているそうです。
目次
- 文明病
- 炎症とは
- 不安とは
- 炎症の原因
- 腸
- 環境
- ストレス
- 不安の原因
- まとめ
医者が教える 「食事術」 最強の教科書 牧田善二
牧田さんは糖尿病、生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。
現在までに20万人以上の患者を診ていらっしゃる糖尿病専門医です。
糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を5年間行っています。
AGEとは終末糖化産物と訳されるタンパク質や脂質がブドウ糖と結合してできるたちの悪い物質。
「老化をとめる本」「糖質オフのやせる作りおき」「眠れなくなるほど面白い図解糖質の話」他、著書多数。
牧田さんは健康格差が広がっていることが見て取れ、健康上流は2割で、残り8割は健康下流だと。
この格差をつくりだしているのが「日々の食事」。食の大切さを高級車でも不純物だらけの怪しいガソリンを入れたらうまく動かないと例えられています。
色々な病気や不調の根本原因・・・
9割以上は「血糖値」にあり、それは現代人ならではの「食事様式」が生み出している
みなさんの現状はいかがですか? これらの症状はありませんか?
・じわじわと増えてきた体重が落ちない
・血圧が高いと指摘された
・疲れやすい
・仕事中に眠くなってしまう
・集中力が続かない
そして下記のような習慣を行っている方は要注意。
このような工夫は「病気になるための努力」と言っても過言ではないそうです。
・仕事の前にはエナジードリンクで気合を入れている
・栄養を考えて毎朝シリアルを食べている
・野菜不足を「1日分の野菜ジュース」で補っている
・カロリーをとり過ぎないように脂質を常に控えている
・筋肉をつけるためにプロテインを摂取している
・時間があればジョギングしている
・好きなお酒を控えている
どうでしょう?私はいくつかやっちゃってました。
太る→老ける→病む、この負のスパイラルから脱するためには血糖値のコントロールが必要だと。
目次
- 血糖値のコントロールが最大のカギ
- 医学的に正しい食べ方20・・・食事の正解
- 新しい常識
- 体にいい食べ物
- 病気を遠ざけ活力を取り戻す!やせる食事術・・・なぜ太るのか
- 糖質を摂取する時に気を付けること
- 24時間のパフォーマンスを最大化する食事術・・・なぜ食事で変わるのか
- 血糖値の急上昇を押さえることが大切
- 本来の免疫機能を回復させる!病気にならない食事術・・なぜ病気に
- 本来の免疫機能を回復させる食事術は
- 見た目・気力・体力を衰えさせない!老けない食事術
- 老化を遠ざける食事
- 100歳まで生きる人に共通する10のルール
- 長寿者のルール
「腎臓が寿命を決める」 黒尾誠
著者の黒尾誠さんは自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授。
腎臓とリンの関係から老化の仕組みを解明する研究を続けていらっしゃいます。
余分なリンを腎臓から排出させる老化抑制遺伝子「クロトー」を発見。
クロトーとは命の糸を紡ぐギリシャ神話の女神に因んで名付けられたそうです。
クロトー欠陥マウスはなぜ早く老いるのかの研究をはじめ、老化研究においてグローバルでご活躍中です。
研究室では下記3つの仮説を証明することを目指されています。
・リンが老化を加速する
・慢性腎臓病はリンが原因の早老症である
・Klotho-FGF内分泌系は老化関連疾患の治療標的である
腎臓と言うと「おしっこをつくっている臓器」ぐらいのイメージしか浮かびませんが腎臓は「生体内の状態を一定に保つ」ことによって私たちの命を守ってくれています。
不必要なものは尿とともに排出、必要なものは体に戻して常に過不足のない状態をコントロール。
この管理調整機能がキープできているかどうかが老化や寿命に深く関係していることが分かってきたのです。
また、リンという成分が動物の寿命に関係していて、血液中のリンが少ない動物ほど寿命が長い傾向があることが分かりました。リンを体内から排泄して調整しているのは腎臓です。
地味な存在でしかなかった腎臓とリンが、じつは私たちの老化や寿命のカギを握っていたのです。
目次
- 腎臓が寿命を決めていた
- リンが老化を加速する
- 析出 CPP
- 動脈硬化
- 「非感染性慢性炎症」
- 慢性腎臓病
- FGF23の値
- 「リンを減らすこと」は最強のアンチエイジング
- 食品添加物を減らしたい人のための12の心得の紹介
- 運動